最古の渡来人集落
清水谷遺跡から出土した高度な技術で作られた朝鮮半島系の土器片
 奈良県高取町の清水谷遺跡で、古墳時代中期(5世紀後半)の大壁建物と呼ばれる朝鮮半島系の建物跡6棟が出土、うち2棟で床暖房のオンドルが確認されたと、町教委が7日、発表した。渡来人による最古の集落跡と見られる。
五世紀後半の朝鮮半島が起源のオンドルを備えた特殊な構造の「大壁建物」などは、知られざる飛鳥前史に光をあて、これまで伝承に過ぎなかった、いにしえの渡来人の営みを具体的に浮かび上がらせた。

 大壁建物、オンドル、半島系土器の〈三点セット〉がそろった遺跡はこれまで見つかっておらず、上田正昭・京都大名誉教授(古代史)は「これほど明確な渡来人の生活遺跡は珍しい。飛鳥に渡来人が住みついた初期の姿をほうふつとさせる」と驚く。

 これまで最古だった大津市の穴太(あのう)遺跡(6世紀後半―7世紀前半)を100年近くさかのぼり、飛鳥地方では初の発見である。

 大壁建物は掘った溝を埋めて柱穴を再び掘るなど複雑な工法で、構造や使用目的になぞが多かった。宮本長二郎・東北芸術工科大教授(建築史)は「複雑な基礎工事は防湿効果を期待したのでは。
かなり大型で、豪族居館の可能性もある」と指摘。石野博信・徳島文理大教授(考古学)は「しっかりした造りの大壁建物などが立ち並び、通常の倭(わ)人集落とは異なる風景。原野に過ぎなかった飛鳥をそうした土木技術で開発していったのでは」と推測する。

 建物の大きさは、6―11メートル四方。うち2棟のかまど跡には、煙道(えんどう)があり、煙の熱で暖をとるオンドル遺構と判明した。朝鮮半島系の土器片も数十点見つかった。

 この地域は、渡来系氏族東漢(やまとのあや)氏の本拠地。「日本書紀」にある、雄略天皇の時代に渡来系氏族を飛鳥に住まわせたとする記述とも符合した。

 「続日本紀」に、八世紀後半、遺跡のある「桧(ひの)前(くま)」地域は渡来系氏族が多く、違う氏族は「十のうち一つか二つ」という記述がある。「五世紀は移住民の世紀」と説く山尾幸久・立命館大名誉教授(古代史)は「渡来人が倭人社会に技術革新をもたらし、六世紀以降の構造変化をもたらした。この地に住んだ渡来人が雄略王権の権力基盤の重要な柱で、文献伝承を裏付けた」と高く評価する。



     
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情報は読売新聞より取得(12月8日)
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